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NBAラプターズ優勝

こんばんは。

NBAファイナル、トロントラプターズ(以下TOR)が4-2で初優勝しましたね。ゴールデンステイトウォリアーズは3連覇をかけて臨んだファイナルでしたが、主力のデュラント、トンプソンが怪我に見舞われ、来季にも影響が出そうで心配です。


今回のTORの初優勝について、アメスポにおける「編成の変化を恐れない」事について話をします。


ファイナルのMVPは、TORのカワイ・レナード。レナードはリーグのベストディフェンダーかつ、エースに求められる得点力も備えたリーグの五指に入る選手と言えます。

彼は昨年別のチームにいましたが、今季終了後にFAになる為、そしてチームと不仲になった為、昨季終了時にトレードでTORに出されました。元のチームからしたら、FAで1年後に残留する見込みの無い選手に見返りなく移籍されるより、トレードで見返りを得たい。そして、そのトレードに応じたのがTORと言うわけでした。

ここで驚くべきトレード相手が、TOR生え抜きエースのデローザンが選ばれた事です。デローザンほどの選手を出さないとトレードに応じてくれないという理由もありました。しかし、デローザンはプレーオフに出場できなかった頃からTORと共に成長してきたチームの顔。ここ数年は毎年東の上位に位置するチームのエースとして、レギュラーシーズンでコンスタントに活躍していました。

しかし、チームは大きな変化を求めた。

それは、毎年プレーオフでブレーキが掛かってしまう勝負弱いデローザンに代わり、チームを新たな舞台=初のファイナルに導いてくれる選手として、今季終了後にFAになるリスクを承知でレナードとトレードしたのです。

ファイナルで優勝しましたが、FAになるレナードが今オフで移籍する可能性は充分考えられます。明日からは恐らく「レナードは残留するのか、移籍するのか」で大きく話題になるかと思います。

それでも、仮に1年しかいなかったとしても、生え抜きエースをトレードしてまでレナードを獲得し優勝に漕ぎ着けたフロントの決断は恐れ入ります。


NBAには30もチームがあり、全てのチームが毎年優勝を狙えるわけではありません。チーム状況によって再建、育成、勝負と、それぞれ年によって変わります。彼らは数年単位で物事を考え、チームを作ります。TORはここ数年勝負の年でしたが、主力が状況を打開できず行き詰まっていた。そこで主力に大きなテコ入れを行い、初の優勝を掴みました。

また、デローザン入団と近い時期にヘッドコーチ(監督、以下HC)になり、同じくTORを強豪に成長させたケイシーも、去年限りでチームを去りました。そして新たなHCとして据えたのはニック・ナース。

アシスタントコーチとして長年TORに在籍していましたが、HC未経験の人物をHCに就任させました。これもまた、変化を恐れず新たなチャレンジに賭けたポイントでした。


変化は必ずしも良い結果に繋がるとは限らない。それは当然なのですが、数年間殻を破れず行き詰まっていたチームを大きく変化させ、1年で優勝に輝いたTORは、フロント以下素晴らしい「チーム」だったと言えます。

来季をディフェンディングチャンピオンとして臨むTORが、どういった形でシーズンを迎えるか今はわかりません。全てはレナードの決断次第になります。しかし今季のこの優勝は、カナダのチームに初めてNBA優勝をもたらした大きな意義あるもの。トロントの人々の喜びようを見てそう実感しました。