ごうティナのブログ

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日本のプロ野球界が不当に奪っている選手の権利

こんばんは。
あまりにも時代遅れ…というか野球界だと何故かこの意見が一定の賛同を得るのが不思議なので、今回この記事を取り上げて自分の意見を書きます。

headlines.yahoo.co.jp


記事を要約すると、
・昔のドラフトは入団拒否する「ワガママ」な選手が沢山いた。
・昔のドラフトはあらかじめ指名されたくない球団や指名されたい球団を表明する「横柄」な選手がいた。

といった内容の記事ですね。一時期、大卒や社会人経由の選手は逆指名がルールで認められてましたが、現在は昔と変わらず選手側に選択肢はありません。
まずこれがおかしい。
あなたが仮に、東大をトップレベルの成績で卒業し、在学中に様々な成果を挙げた人間だったとします。卒業して自分の行きたい業界に行けば、よほど面接で失敗しない限り、引く手数多である事は想像に難くありません。当然いくつもの内定を貰い、その中から最も良い雇用条件の会社をあなたは選ぶでしょう。
それを選ぶ権利を得られたのは、大学在学中に「努力と成果」を挙げたからなのは言うまでもありません。その対価として、会社側は相応しいオファーを出す訳ですね。
転職でも同様です。
ある業界内で、他社にも知れ渡るような成果、発明をした人間が同業界に転職を望んだ場合、新入社員より更に大きな雇用条件が得られるでしょう。その業界で目に見える結果を出したのだから「即戦力&即エース」となり、それに相応しい待遇で迎えられる。場合によっては海外の会社がより良い待遇を示す事も業界によってはあり得ます。

この話は単純に、「より努力し、より結果を出した者がそれに相応しい待遇を得る、選ぶ権利がある」という極々当たり前の話。ですが、日本のプロ野球をご存知の方には周知の通り、選手たちは何故かこの当たり前の権利が奪われ、ようやく権利を得てもそれを行使すると、時に強烈な批判が飛ぶ。それがおかしいというのが今回の記事で述べたい事です。

最初の例え話は、甲子園で大活躍した選手がドラフトで複数球団から指名されても、彼らは入る球団を全く選べない事に対しての比較として書きました。
彼らが行きたい球団を発言したり、行きたくない球団をドラフト前に表明しようものなら、現代でも大きな批判が飛ぶ事は簡単に想像できる。なので、最近の選手は表面上(実際そういう選手もいるだろうが)では12球団OKなどと言うわけです。

以前、「カープは無駄金使って選手に還元しないからFAで出て行かれるんだ」といった内容の記事を書きましたが、その時に2018年ドラフト1位でカープに入団した小園について少しだけ触れました。

gou-1031.hatenablog.jp


彼は高校時代、名門野球部の報徳学園で活躍し、ドラフトでは4球団が1位で競合するほど、「努力と成果」を学生時代に見せました。そして、くじ引きの結果広島に入団しましたが、なんと彼の1年目の年俸は800万円。新人の年俸上限は基本的に1500万円で、同じく4球団が競合した根尾(中日)、3球団が競合した藤原(ロッテ)はそれぞれ1500万円の年俸でした。

www.nikkansports.com

自分が小園の立場ならどう思うか。

くじ引きで勝手に行く球団を選ばれ、たまたまくじを引いた球団は800万円しか出さず、同期で同じような評価のライバル2人は倍近い年俸を貰っている。

「こんなチーム、FA権得てさっさと出ていきたいなぁ」って自分なら思いますし、カープファンで感情的になってる人も、「これは可哀そうだ、気の毒だ」って思いませんか。

 

プロである以上、選手はお金が基本的には第一。我々だってそうでしょう。サラリーマンやアルバイトだって収入の良い所で働きたいし、その自由がある。

こんな事をしている球団がある時点で、新人選手に「行きたい球団・行きたくない球団とかワガママなことを言うな」なんてとても言えません。

 

ではどうするべきか。

これはもうドラフト指名された選手に対しての年俸を、一律にするルールを明文化するしか無いでしょう。例えばアメリカのバスケットリーグNBAでは、ドラフトで指名された選手は1年目のみならず最初の数年は年俸が決まっています。彼らも入る球団を選べない。強い球団や地元の球団、どんな選手にも入団したい球団がある。その権利を奪うからには、何で補填するかと言うとそれはもうお金しかない訳ですね。

それと2年目に不当に年俸を下げる球団が出ないように、最初の3年くらいは最低でも現状維持"以上"といったルールも必要と思います。

 

思うに、NPBは選手の力が弱すぎます。入る球団は選べず、FA権取得まで長すぎる上に、ようやく得たFAで移籍しようものなら裏切り扱い。繰り返しになりますが、あなたが選手の立場だったらそんな扱い納得できますか?自分なら腹が立つでしょうね。

それでもその選手にFA移籍せず残ってもらいたいなら、選手ではなく球団に「しっかり金を出せ、適正評価をしろ」とそっちに声を荒げるべき、というのが自分の考えです。

 

丸が巨人に移籍して叩かれた(未だに叩いてる人もいるが…)件も、彼は2年連続MVP、つまり「リーグで最も価値ある選手」と表彰されたのに、それに相応しい給料ではなかった。世間の評価と球団の評価に大きな乖離があった。そうなれば出ていくのは当然で、お金を出してくれる球団に行くのも当然。自分が広島ファンなら球団に対して怒るでしょう。

カープにお金が無いのは過去記事で書いた通り、無駄な投資をしてるのも理由の一つ。もしそれでもFA制度に不満なら選手に対してではなく、「チーム総年俸上限」などのルールを設けるような提案があってしかるべきでしょうね。この場合、選手の給料に上限ができるので「総年俸下限」も設ける必要がありますが。

そもそも丸に渋って、人的補償で年俸2億の既に衰えが見える長野を獲得して、4球団競合の小園に数百万円を渋るその感覚が全く理解できません。

なんだか広島批判ばかりしてますが、それだけ丸や小園が気の毒であり、広島ファンなら今の内にしっかり小園に金を出せと言っておかないと、また移籍されますよ、とだけは書いておきます。

 

さて、日本シリーズが間もなく始まり、ドラフトも迫っています。今年も競合が予想される選手が何人かいますが、少なくともそれなりの待遇で契約してあげてほしいですね。彼らはそれだけの努力と成果を出したのだから。