ごうティナのブログ

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NPBはいい加減に各種タイトルの投票方式を改めるべき

おはようございます。

昨晩はプレミア12で日本代表野球チームが優勝しました。激しいシーズンが終わり、特にCSや日本シリーズに参加した選手たちは疲労困憊だったと思うのですが、素晴らしいパフォーマンスでした。彼らにとってはこれからようやくオフ。ゆっくり休んでほしいですね。

 

さて、先日ゴールデングラブ賞(以下GG)の投票結果が発表されました。一応説明するとこの賞は素晴らしい守備を年間通して見せた選手を、各スポーツ新聞社の記者投票で各9ポジション2リーグで計18人選出するというものです。

しかしこの記者投票が、今のやり方ではあまりにいい加減。現存する20年前に書かれた、あるプロ野球ファンのホームぺージにも書かれてますが、「ベストナイン(以下B9)をもう一つ」としてしか機能していない。B9も同じく記者投票で選ばれる各ポジションごとの最優秀選手を選出する賞なんですが、こちらは打撃を優先して選ばれる傾向にある。しかし、GGは本来守備のみを見るはずなのに、何十年も打撃成績が大きく加味されてしまっている。

 

今年問題になったのはセリーグのショートでGGを受賞した巨人・坂本と、受賞を逃した中日・京田について。以下はwikiから引っ張ってきたデータです。

  試合  刺殺  補殺  失策 併殺  守備率

坂本 141  199 354  12  74   .979

京田 139  202    384      9      78      .985

試合数は京田の方が3試合少ないながら、刺殺(フライをキャッチ、ランナーにタッチアウト、ベースに入ってフォースアウトの合計)、補殺(主に1塁や2塁に送球してアウトを成立させた数)、完成させた併殺数、守備率全てで坂本を上回っています。ついでにこの4部門は全てリーグトップでした。その為、昨今流行りの守備指標などでも京田はセリーグでトップを示しています。

これらの数字から、京田は今シーズンに限って言えば「最も守備範囲が広く、多くの打球に絡んだ上でプレーの失敗率が最も低いショート」と言うことができます。勿論打球が飛んでくる数は投手陣のスタイルにもよるので完全には比較できませんが、これだけわかりやすい形で差が付いている。

 

にも関わらず、現実にはGGは坂本が選出された。坂本に投票した記者には一体何を選考基準にしてるのかと問いたい。

https://www.tokyo-sports.co.jp/baseball/npb/1606533/

京田もよほど自信があったのか、悔しさを前面に出しています。そして「打てばいいんでしょ」という言葉を発していることからも、「何故か」打撃に重きを置かれている賞だと認識しているとよくわかります。

坂本はショートとという最も難しいポジションを守りつつ、打撃はリーグ屈指の成績でチームを優勝に導いたことから、今年のショートのB9は勿論、MVPの最有力候補。しかしGGは別だというのは、賞の本来の趣旨からすると当然の話。

しかし、現状の選出方式だと誰が誰に投票したのか、そして投票理由が一切わからないのが、日本の投票によって選出される各賞の問題なのです。

 

日本よりもプレーは勿論、それ以上に運営やマスコミが100年くらい先を進んでいるMLBでは、記者投票による各賞の選出は誰が誰に投票したかわかるようになっています。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191117-00841480-number-base

こちらは今季のサイヤング賞、最優秀投手を選出する為に投票した記者の、自身の投票についての説明です。その記者が考える、その年1位~5位の投手についての選出と順位付けの理由が理路整然と述べられています。向こうではこの記者に限らず、投票権のある全ての記者が名前を公表され、求められればこのように自身の投票理由を世間に示す。

プロの仕事を評価する姿勢としては、これこそがあるべき姿ではないのでしょうか。

 

かつて沢村賞MLBのサイヤング賞と同じく最も優れた投手を選出する賞も記者投票でした。以下にwikiからの文章をそのままコピペしますが、かつて江川卓という怪物投手がその年リーグ最高の成績を残した年の話です。

(江川の)3年目の1981年には、20勝6敗、防御率2.29、奪三振221で、最多勝最優秀防御率最多奪三振最高勝率(.769)、最多完封(7完封)という投手五冠王[2]に輝き(日本プロ野球史上6人目、2リーグ分立後3人目)、チームを4年ぶりのリーグ優勝に導いた。MVPに選出されたものの、沢村賞は同僚の西本聖の受賞となった(当時の沢村賞は現在と異なりプロ野球担当の新聞記者による投票で決定されていた)

とあります。私が産まれる前の話ですが、江川と言えば怪物、そして巨人に行きたいばかりにワガママを通し続けたと非難され続けた、当時の「パブリックエネミー」のような人物です。この話から分かることは、プロ入りから3年経っても彼は記者に嫌われていた。つまり実力と結果はまるっきり無視して、嫌がらせで西本が受賞した訳です。

「江川は人格に劣る」などという下らない理由で、一生残り続ける賞を逃した彼は「だったら選考対象に「人格も考慮する」と書いといてよ」と流石に怒ったと言います。

 

それから40年近く経ってる訳ですが、ネット社会になり詳細なデータやプレー動画がナンボでも集められるこの時代になってもなお、野球マスコミ(というより日本マスコミ)は全く進歩していない。自分の名前が世に出ない事を良い隠れ蓑に、

嫌いな選手に投票しなかったり

地味な選手よりも「とりあえず」実績のある選手に投票したり

自分が普段取材しているチームの選手を優先したり

なんてことが罷り通っている訳です。これは新人王の投票なんかでもわかりやすい。

 

今年は他にも外野手部門でソトに投票が1つだけありましたが、これなんかは十中八九、横浜の番記者が投票したものでしょう。ソトの守備を見てリーグの外野ベスト3に守備が上手いと本気で思うなら、金輪際野球に関わる仕事をしないでほしい。横浜ファンですらそう思います。流石にこの記者は愚劣すぎるし、名前を名乗って理由を説明してほしい。

 

さて、ではどのように改善すべきか。

日本の新聞記者には全く期待できません。と言うのも、彼らは基本的に番記者として1人1つの球団を担当しているからで、これでは公平な目で選手を見ることなど不可能。そして近年流行りの指標などの勉強も、あくまで自分の印象ですが、しているようには見えない。また、新聞記者自身が自分のアカウントを実名で開設して意見を発したりすることもない。よって、MLBの記者のように名前を出して投票させても、彼らは説明する場も無く直接問われることも無い。期待できるとしたら忖度なく意見を発せられるフリーの記者でしょうか。

よって、投票するとしたら「現場サイド」つまり選手、監督、コーチが現状ではベターだと思います。

勿論投票は贔屓が入らないよう自チームを除く5球団の選手を対象にし、投票権のある選手はこれこそ匿名が良いと思います。何故かというと日本野球界は村社会(というより日本の大抵のスポーツや組織がそうですが…)で、母校の先輩後輩の上下関係が強すぎる。野球記事などでも母校の先輩に挨拶、なんていう話は毎年のように聞きます。それが10年以上年齢が離れていても。それでは記者投票と同じく忖度が発生しかねない。

よってリーグ側で投票する選手を決め、情報が漏れないようにコントロールし、できるだけ公平に投票される環境づくりをする。

選手としても、同業者に投票してもらう方がより名誉に感じるのではないでしょうか。少なくとも自分なら同じプレイヤーに投票してもらって得る賞の方が嬉しいでしょうね。

 

誰が投票しても一定の批判は出るでしょうが、現状の「誰が投票したかわからない、よって投票に対する説明責任もなにも存在しない」よりマシなやり方はあるはず。もういい加減愚劣な一部の新聞記者による投票はやめにして、選手とファンが納得行く形式にしてほしいです。