ごうティナのブログ

DOAやスポーツに関する話題

MLBのサイン盗みについて思う事

こんにちは。DOA6はU+にランクを上げてからひと段落してお休みしてます。本当はティナ解説系もバージョンアップに合わせて直したいんですが。

 

さて、アメリメジャーリーグでは、近年優勝を果たすなど強豪チームとして名を馳せてきたヒューストンアストロズが、サイン盗みをしていたと報道されました。詳しい経緯は追い切れてないんですが、

 

優勝したシーズンも行っていた

味方打者に、ゴミ箱を叩いて「音」で相手投手の球種を伝達していた

一部の打者はユニフォームの中にも伝達手段(電子ブザー)を仕込んでいた

 

等がすでに報道されています。

今回のサイン盗みは、2つの意味で最悪の行動であると自分は思っており、未だ解決に(もしかしたら永久に)至りそうもないのが残念です。

 

1、なぜサイン盗みは悪なのか

そもそもなぜ捕手は投手にサインを出すかと言うと、相手打者に球種を悟られないようにする為なのはご存じの通り。プロレベルの投手はストレートでも変化球でも、極力同じ投げ方になるよう(クセが出ないよう)日々練習しています。何故ならクセが相手にバレてしまっては、せっかくのサインも無駄になるからです。

クセを盗むことは問題ないのは何故か。

昔少年ジャンプに連載されていた漫画「ルーキーズ」で、登場人物がカーブを投げて相手を抑え込むものの、カーブの際に出るクセを相手が見抜き、打ち返されるシーンがああった(と記憶してます)。そのクセとは、カーブを投げる時だけ、ボールを握る際に縫い目を確認する仕草が出てしまうからで、これはベンチの選手やベンチの外にいる観客、関係者の力を必要としないでも看破できるからこそ、立派な「盗み」でした。これはその投手が「無意識に」やってしまったこととはいえ、盗まれる方が悪い。

先日亡くなった元阪急ブレーブス(現オリックスバファローズ)の高井保弘は、代打ホームラン27本の世界記録を保持しています。この人は、代打というたった1打席で結果を出す為に、相当緻密なクセ盗みを行い、リーグの投手たちを丸裸にしたと言われています。

そして高井と同僚であり、「世界の盗塁王」こと福本豊もまた、盗塁をする為に相手のクセを盗んだのも有名です。

こうしたクセ盗みは防ぎようがない上、盗まれた方は努力不足、実力不足となり、盗んだ方はプロの技と称えられます。

 

サイン盗みは、打者は相手のクセがわからなくてもベンチの外の関係者などの助けを借りて、ある程度の球種を把握できるという点が悪質で、いわばテストにおける「カンニング」と言えます。

ここでサイン盗みが悪と言いたいのは、倫理観というくくりではなく、単純に試合が面白いか面白くないかに大きく関わってくるからです。

野球を観たことがある方は、想像してみてほしい。テレビに映っている打者が、我々視聴者のあずかり知らぬところで球種を伝達されており、その伝達に従いバットを振っているところを。

少なくとも自分は面白いとは思わないし、今まで野球だと思っていたスポーツと丸っきり違う別のスポーツとしか見れなくなってしまう。

 

クセが全く存在しない投手に対し、打者は次に何の球が来るかわからない

 

この大前提を覆して、観てる方が興奮できるかっていう話です。クセ盗みについては先ほど申し上げたように、打者が直接盗み活用するものなので防ぎようがない。しかし、そこに第3者の人間がクセ以外の部分を盗んで打者に伝達しては、興醒めでしかないという事で、サイン盗みは悪質だと言いたいのです。

 

2、サイン盗みは無いという大前提に立って応援してきた観客、ファンを騙し続けてきた事と、いつまでも続く疑念

これが今後どのように作用するか、全くわかりません。HOU以外のチームもやっていたなんて話があったり、サイン盗みをやっていたとされる時期に在籍していた日本人選手の青木は沈黙。おまけにサイン盗みを告発した人物までが、何故かOBや現役の同業者に「チクリ野郎」などと叩かれる始末。とても根の深い問題であり、HOUだけでなく、MLB全体が大なり小なり身に覚えのある話なのではないかな?と自分は疑っています。

そしてリーグは選手たちに対し、正直に話す事と引き換えに罰しないという取引を行ったと言われており、昨年までサインを盗んでいた選手たちは何食わぬ顔でまたプレーができる。

金を出して試合を視聴し続けてきたファン、球場にまで足を運んだ観客たちは、「打者と投手の真剣勝負」を観に来ていたのに、実際はアストロズの打者は何が来るかわかっていたという事実。何も知らない彼らファンを無邪気に応援させ、ピエロにしてしまった代償は計り知れない物であり、今後どれだけ頑張ろうとも取り返しのつかない事になってしまった。

何より夢を売る商売の人間が、テクノロジーさえあれば優勝することができ、バレても大した罰則が無い悪さはやり得である、子供たちに教えてしまった点。

これは長い目で見れば、とても大きなマイナスだったと思います。

 

大まかに2つに分けて書きましたが、今回の件は本当に残念でした。今やMLBの動画を観ても、凄いと思えるのは守備や走塁だけ。肝心の打者が打った場面では、とてもではないけど興奮したり凄いと思ったりできません。言うまでもなく常にサインを盗んでいるのではないか?という疑念が頭に残るからです。

今後望むこととして、少なくともHOUに1年間の試合禁止などの措置や当時在籍していたメンバーの出場停止等、重たい罰則を科すと同時に、リーグ全体でこうした行為が行われていないか徹底的に洗ってほしいです。そして日本でも行われないよう、対岸の火事と見過ごさず、これは絶対にやってはいけない悪事なんだと引き締めてほしい。勝つ為になんでもやっていいとなってしまったら、そのスポーツは終わってしまうでしょう。